また、お手軽な廃隧道の紹介です。
今回は大町市の長野県道55号線上にある相川隧道です。
以下の四十八曲隧道と同じ路線上になりますが、場所は30kmほど離れています。
場所、スペック
長野県道55号線上にある相川隧道ですが、現在はどちらの坑口も大町市になります。2006年に合併するまでは、大町市と八坂村の境界でした。
地図上の場所は以下になります。
旧トンネルの位置はGoogleマップ等では見えませんが、現トンネルのすぐ北側ににあります。
旧トンネルは延長は65m、竣工年は不明となっています。
北西側(大町市街地側)
では大町市街地側から見ていきましょう。
ここは県道を大町市街地側から登り切ったところ。市街地からの標高差は200mほどです。
奥に見えているのが現相川トンネルです。
(ちなみに2020年5月現在、この場所は線形が改良されています。)
ここは旧道に行くための階段がある駐車スペース。旧道は一段上にあり、展望台となっていました。
短い旧道区間。
展望台として椅子や東屋が設置されています。
反対側はすぐに行き止まり。
ちなみにこの展望台からはこのような北アルプスの絶景が見渡せます。
再度トンネル側に向かいます。
すでに何か見え始めていますね。
あっけなくたどり着ける手軽さ。
そして、絶景の背後に広がるダークな世界!
一応塞がれていますが、特に何も書かれてはいません。
全長は65mと短く、直線なので反対側が見通せます。
コンクリートのアーチ部分が本来の坑口部分で、手前が後から延伸されています。
扁額は一文字づつで「相川トンネル」となっています。
狭そうに見えますが、幅員は一応4.7mあることになっています。
現トンネルを通って反対側に行きます。
現トンネルは1987年竣工と、思ったよりは古い?昭和のトンネルです。
延長は92mと、旧トンネルに比べてそれほど長いわけではありません。
ここは典型的な片峠の地形のため、ほぼ同じ位置に作られています。
南東側(旧八坂村側)
反対側にやってきました。
こちらも現トンネルのすぐ横に旧トンネルがあり、旧道区間はほとんどありません。
こちらも一応封鎖してあります。
看板は倒れていますが、内容は確認していません。(見とけばよかった。)
大町市街地側は延伸部分でごまかされていましたが、
これがこの隧道の本来の姿!
コンクリート造りですが、ピラスターやアーチ環などを模倣した意匠となっています。
近くで見ると全体的にダメージがあるようです。
さすがにこの状態で供用していたとは思えないので、恐らく現トンネルができてからのダメージでしょう。
扁額は右書きで「相川隧道」となっています。
この隧道の竣工年は分かりませんが、左書きに変わったのは戦後のはずなので、戦前~戦後すぐ辺りの竣工と思われます。
トンネルの先に広がる景色
最後に、大町市街地側に抜けたときの景色を比べてみたいと思います。
こちらがGoogleストリートビューで見た現トンネルからの景色。
トンネル内からは先があまり見渡せません。(晴れてれば出口付近ではもう少し見えますが)
こちらが旧トンネルからの景色。
目の前が展望台になっている場所なので、当然同じ景色が見えます。
現道はこの景色を失ったわけですね。
(見とれてるとまっすぐ行っちゃいそうですが)
ではまた。