国道403号の安曇野市と筑北村の間には滝上峡と呼ばれる景勝地があり、ここには滝上隧道を中心にした廃道区間が以前からありました。
この近くで2017年に新矢越(しんやごせ)トンネルが完成しことで、矢越隧道を含む廃道が新たに生まれたので見に行ってきました。
過去、この廃道の現役時代の2011年に行った時と比べてみたいと思います。
廃道に向けて出発
今回は安曇野市側から向かいます。
ここは国道19号を北上し、国道403号に分岐する交差点です。
とはいえ、国道403号線の起点は松本市で、この国道19号は403号との重複区間になっているようなので、すでに国道403号線上でもあります。
この先の写真は今回あまり撮影していませんが、この先の区間には遊歩道として整備された篠ノ井線の廃線区間もあります。今回はスルー。
一気に問題の旧道への分岐まで来ました。
写真をちゃんと取れていなかったのでGoogleストリートビューです。
まっすぐ奥に見えているのが新矢越トンネルです。
こちらのトンネルは竣工2017年3月、延長1043mとなっています。
ここを右に向かいます。
ちなみにこの廃道区間、Googleマップでは完全に消え去っていますが、Yahoo地図だと2020年5月現在でまだ現役の国道として残っています。
新旧どちらもこのトンネルが安曇野市と筑北村の境界となっていることが分かります。
廃道に突入
では廃道に入っていきましょう。
路面は多少石が転がっている程度でまだきれいな状態です。
途中ガードレールやガードロープではなくコンクリートの壁で仕切られた区間が出てきました。
こんな道だったっけと思っていたら、ここは現役時代はスノーシェッドがあった場所で、廃道化された後撤去されたようです。
おにぎりも健在でした。
あっという間にトンネルまで到達しましたが、、、
あああああああ!なにか壁が見える。
ちなみに2011年の姿が以下です。
安曇野市側坑口
今回特に下調べをせずに来ましたが、まさかコンクリートで塞がれているとは。
扁額も消されてるし。。。。
以下が2011年の様子。
この隧道それほど古いようには見えませんが、竣工は昭和31年(1956年)です。
延長は272mで新トンネルの1/4ほどです。
次の写真は扁額をアップで比較。
表面をコンクリートで固められているようです。
扁額には「縣道松本埴生線 矢越隧道」。
かつては県道だったのですね。
Wikipediaの記載によると国道になったのは1993年のようです。
道路脇には県道開道時の立派な記念碑があります。
反対側はどうなっている?
現道の長いトンネルを通って筑北村側に来ました。
右奥に見えるのが新矢越トンネルの筑北村側の坑口。
左側が矢越隧道に向かう道です。
こちらは特に通行止めにはなってません。(Googleマップだと道はありませんが。)
道もいたって普通の状態です。
ん?道が砂利道になった?
いや、この先は林道だ。隧道はどこ行った?
えっ、ここ?
完全に抹消された坑口
まさか埋め戻されているとは。
完全に自然に戻す気のようです。
安曇野市側とどっちがいいかといわれるとどっちもどっちか。
こっちの方が将来土砂が流れれば坑口が現れることが期待できるかも。
実は中をコンクリートで固められてるとか?
2011年の様子は以下。
同じ場所のように思えませんが、坑門上部の柵の辺りを比べると同じ場所だと分かります。
一応その場でGPSで確認しましたが間違いありません。
以下は坑門の上から道を見下ろしたところ。
元々林道につながる道だったかのような線形になっています。
こちら側は林道があるので道が塞がれていなかったんですね。
ここはもう知らなければ隧道があったとは分からないでしょう。
続き
この後、以下の滝上隧道の探索に続きます。